Building No.248 2021年 春号-非会員
3/12

都市計画を「問題が発生する場、課題を解決するのが業務」と捉える見方があるが、大阪という盛り場の都心に生まれ育った私は、都市は「新しいものを生み出す成長や創造の場」と考えている。都市を新陳代謝が起こる場と見るか、解決されるべき問題をかかえる場とみるかで方向性が変わってくる。世界では空前の人口爆発が進んでいる。巨大都市に人口が集中し人口の過半数が都市に居住すると予測されている。アジアでは農村部に人口が分散していたが、欧米のように今後は都市に集中するといわれている。当面のトレンドは都市への集中であり都市の巨大化である。大都市間の競争は激化する。世界の趨勢と異なり、日本では少子高齢化、生産人口減少が進んでいる。郊外に移転した人口も減少してきている。都市部では製造業の空洞化が進んでいる。大阪市内では卸売業の空洞化も目立つ。少子高齢化は韓国、中国でも進行し、2050年には世界中で少子高齢化が進む。平均寿命が延び、2100年には世界人口が100億人前後の平衡状況になると予測されている。日本は今後20〜30年の世界の変化を先取りしていて、少子高齢化の都市の在り方の先進モデルとなる。 「都市化」を巡る議論は「集積か分散か」、「効率か均衡か」の対立軸の中で、各時代の状況に応じて検討されてきた。明治・大正期。近代国家にふさわしい産業都市の建設。質の転換の時代。大正から戦後復興期。工業化による人口増、量的拡大。面的に拡がっていく時代。大阪では周縁部の編入による人口拡大「大大阪」が生まれた。中心部の人口200万から300万人の巨大都市へと拡大が進む。地方に都市化の波が拡がる、国土全体の都市化の一方で大阪、東京の都心部では人口が縮小した。近代的都市計画の反省点として都心部を業務地区にしたために都心部が急激に空洞化した。小学校の生徒数が減少し、統廃合が進んだのは、ほんの10年前のことである。現状では都心部でのリバウンドが始まっている。タワーマンション建設による人口の急激な増加によって学校が不足している。業務用途に偏りすぎたため空洞化した令和3年2月経営セミナー大阪府/大阪市 特別顧問 大阪府立大学研究推進機構 特別教授 ~今後求められる大阪の新しい都市機能とは~橋爪 紳也氏「これからの大阪、街としての変貌」1 第4の都市化一部2月は26、「日こ㈮れ「かコらロのナ大後阪の、大街阪とのし変て貌のと変こ貌れ」かとら題のしオてフ今ィ後ス求のめ在らりれ方る」大を阪テのー新マしにい、第都市機能について、第二部では、「首都圏のオフィスマーケットの現状と今後の展望」と題してコロナ禍での働き方の変化がもたらす首都圏のオフィスマーケットへの影響と関西圏マーケットでの今後の見通しについて解説頂きました。コロナ対応のためリモート開催ではありますが、少数の実参加者も受講するハイブ                 1リッド形式がとられ臨場感のあるセミナーとなりました。参加者は、両方合わせて約150名。質問も、「Q&A」機能を利用してリアルタイムに行われました。第1の都市化第2の都市化第3の都市化第4の都市化Building No.248CONTENTS挨拶をする弘中経営委員長水の都商都見守る澪標 (昌之)P01令和3年2月 経営セミナー オフィスマーケットの行方~ P05大阪中小ビル経営者研究会及び PM研究会とのリモート合同開催P06賛助会員NEWS&TOPICSP08令和2年度 P09協会ホームページ リニューアル案内P10業界情報P11役員リレー随想P11会員サロンP12INTERVIEW(広告)P13協会だより一般社団法人 大阪ビルディング協会昭和60年代に完成した市庁舎、抜群の重厚感でこの地域に相応しい風格を備えている。屋上には「澪標」(市章)が鎮座し真向いの日本銀行大阪支店の偉容にも負けじと対峙する。後方に中央公会堂・図書館・陶磁美術館がありバラ園にも通じて恰好のプロムナードでもある。第一部「これからの大阪、街としての変貌」~今後求められる第二部首都圏のオフィスマーケットの現状と今後の展望~働き方の変化がもたらすビル実態調査のまとめを制作表 紙大阪市役所から東方展望篠原 昌之大阪の新しい都市機能とは~第一部2021年 春号

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る