Building No.248 2021年 春号-非会員
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飲食などの機能を都市が持つ世界の潮流に逆行している。高さ制限の規制緩和とルールを設定した。飲食や物販等の賑わい機能や一部住宅機能、ホテルを誘導。デザイン規制(風格と上質)を導入し建替が進み風景は様変わりした。御堂筋に接した船場地区は戦前6万人の居住者がいた。2000年には3800人に減少していたが、2010年には1万人に回復。ホテルやマンションの開発が進み、今後は3〜4万人の人口のエリアになる。私は、船場でエリアマネージャー的な活動を「船場倶楽部」と一緒に進めている。このエリアは戦前からある魅力的な建築群がアイコンになっている。船場の近代建築が付加価値になりアピールしている。定期的なお祭り騒ぎが必要と考えて、冬のイベントである光のイルミネーションを計画。当初は各方面から大反対されたが、今は定着し風物詩になったと自負している。今後、御堂筋の歩道を拡張しながらまちを変えていく。御堂筋の交通量は6〜7割に減少している。2025年に側道の歩道を拡大。将来的には全面的に歩行者空間化。まちをウォーカブルに変えていくシンボルにする。大阪府・市、堺市で検討中。別途で兵庫県、神戸市でも検討が進んでいる。京阪電鉄の枚方の開発の事例を紹介する。車両用地の跡地を含むかつての市街地再開発事業の続きの再々開発事業といえる。1日9.6万規模の乗降者がある。千里中央に次ぐバス利用者の多いターミナル。駅前広場、バスロータリーの改善が必要。住宅供給公社による200戸の住宅開発。ホテル(139室)、オフィス、商業の複合開発である。タワーマンションだけで                 3無く、オフィス機能を計画に導入するのが新しい試み。住宅と連携したコワーキングスペースのニーズも満たす。 「ニューノーマルに対応する理想的な郊外都市での豊かな暮らしと働き方を実現する拠点を創出」 「ビオスタイル」運営、環境配慮やSDGs対応を企業理念としている京阪電鉄らしいまちづくりである。新しい都心と新しい郊外、双方のあり方と機能分担を考えるといった視点が今後の都市計画では重要になってくる。不動産投資家の投資意欲は堅調である。事業用不動産投資実績について2020年は2019年より5%程度増えている。第3四半期はスローダウンしたが、第4半期には盛り返した。外国人投資家が牽引している。投資家の選好は2019年1月にはオフィスが半数だったが、2020年6月には変化が有り、物流施設がトップのスは3位におちて27%だった。順位は下がったが、オフィスへの関心が劇的に下がったわけではない。アセットタイプ別実際の投資額を見ると、物流施設や住宅が増加している。オフィスについても増加率は低いが、金額は前年を上回っていて1位だった。オフィスに関しては嵩も増やしやすいしリスク分散がしやすいなどの点で投資家の目線から見ても、中心的な存在である。空室率は、昨年の第1四半期をボトムにじわっと上昇してきている。東京では空室率1%を下回っていたが、2020年の第4四半期には1.5%に上昇した。グレード別に見ても、グレードA(延べ床面積1万坪以上、築床面積2000坪〜7000坪)ともに空室率は1%を下回っていたが、2020年末には、いずれも1%を上回っている。移転理由分析の推移では2019年までは「新設・拡張」が6〜7割以上に対して「縮小移転」は10%に満たない数字で推移していた。2020年になると「新設・拡張」は5割近くに落ちてしまった。影響が少なった第1四半期を含んでいるのでそれを除くとあきらかに5割を切っている。「縮小移転」は10%まで増加している。昨年第2四半期以降はキャンセルが相次いで、そのあとは解約、一部解約の動きがみられていた。当初は中小企業が中小規模のビルを解約する動きが目立ったが、後半は大口のテナントのAクラスのビルの解約の動きも散見されるようになった。賃料についてはすでに下落傾向に入っている。東京では、昨年の第1四半期をピークに第2四半期以降下がり始めている。年内はそのトレンドが続くだろう。需要が弱CBRE株式会社 エグゼクティブディレクター ビル営業本部 本部長 寛氏孝氏~働き方の変化がもたらすオフィスマーケットの行方~大久保 上遠野 首都圏のオフィスマーケットの現状と今後の展望不動産投資市場の動向2 東京のオフィスマーケットの  動向と見通しオフィス賃貸マーケット④ 大阪湾ベイエリア⑤ 新しい郊外33%。マンションが32%と2位で、オフィ11年未満の新・近・大のビル)グレードB(延Building No.248第二部1 

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