大大阪時代の象徴 堂島ビルヂング
梅田から御堂筋を下り、ちょうど大江橋の手前辺りで左手にみえてくるモダンな外観のビル。
今回の「ぶらり大阪ビル散歩」は、株式会社堂島ビルヂング様所有のオフィスビル
堂島ビルヂングにお邪魔してきました。
堂島ビルヂングとは?
1923(大正12)年7月(およそ100年前!)に建てられたオフィスビル、通称「堂ビル」。
戦後、二度に渡る改修工事を経て今もなお、
大阪を象徴するビルとして現存しています。
(写真は、絵葉書にもなった竣工当時の
堂島ビルヂングの姿。モダンで素敵....
堂島ビルヂングの実は…!
実は、御堂筋をまたぐ敷地だった?!
堂島ビルヂングは当初4階建ての構想でした。
しかし、大阪市の都市計画に応じて御堂筋の拡幅工事の用地に、
西側の土地を無償で市に寄贈。(太っ腹……!!)
結果、狭くなった敷地を有効活用すべく、4階建てから当時前例のなかった9階建ての建築案が具体化。
建築を請け負った竹中工務店は、担当者をアメリカに派遣し最新の工法や設備を学ばせ、
堂島ビルヂング建築に活かしました。
今では当たり前にある、当時の日本では珍しかったエレベーター塔(大阪初のエレベーター設置ビル!)や
パイプスペースなどが設けられており、そのおかげで改修工事の際にはずいぶんと助かったそうです。
そして竣工から現在まで、二度の大改修が行われ現在の姿になりました。
それでは早速、ぶらりと堂島ビルヂングの見どころをご紹介していきたいと思います!
御堂筋側の入り口
深い緑色の門構え。
ゴールドのビル名が映えますね~。
銀杏の文様が随所にあしらわれています。
そして実は、当時の外観が埋まっている状態なんだそうです。
それでは中に入っていきます
風除室天井の照明も、
クラシカルな雰囲気。
深い緑と銀杏
1999年、平成の大改修の際に採用されたカンパニーカラーの深い緑と
銀杏の文様はビル内にも随所にあしらわれていました。
エントランスにある階段室手摺に
あしらわれた銀杏の文様。
エントランスには大理石が使用
されており、重厚感ある造りです。
竣工当時から残る金庫室
二段式になった重厚な造りの金庫室。
上段の金庫を使用する際は、
はしごを使っていたそうです。
よーく見るとダイヤル錠の数字が
英数字ではなくイロハの仮名文字表示!
ホテル時代は、〇〇があった
屋上
御堂筋からもよく見える看板が
設置されている屋上。
今回、特別に屋上も見せていただきました。
堂島ビルヂング内に
「堂ビルホテル」があった時代には
なんと屋上庭園があったそうです。
(屋上緑化の先駆け、、!)
屋上からは、大阪市中央公会堂が
ドーン。
竣工当時は、今のように高い建物もなく、大阪市内を一望できたそう。
天神祭りの日には堂島ビルヂングの社員たちは午後から休みになり、船渡御をみて楽しんでいたそうです。
堂島ビルディングに煙突!?
そして、こちらも今回は特別に
かつて使用されていた煙突の中を見せて頂きました。
(これはレア……!)
安全のため外側は補強が施されていますが、内部のレンガは100年前のものだそうです。
クラシカルな雰囲気を残しつつも、新しい設備を取り入れており、
清潔感のある館内はとても素敵でした。
大正から令和。戦争や地震などを乗り越えて、
今もなお堂島ビルヂングは「生きた建築」として在り続けていきます。
普段、何気なく見ていたビルにも、実は歴史が詰まっているんですね。
堂島ビルヂングについてもっと知りたい方は
堂島ビルヂング100周年記念webサイトをぜひご覧ください。
取材にご協力いただきました株式会社堂島ビルヂング 木崎様
非常に興味深いお話をありがとうございました!
おまけ
堂島川脇の花壇がとてもカラフルで
キレイでした🌼
気づけば夏もすぐそこまで来ていますね。
人込みを避けながらにはなりますが
大阪のビルを眺めながら、川沿いをぶらり
お散歩してみてはいかがでしょうか。
お読みいただきありがとうございました!
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