オフィス街にたたずむレトロビル 芝川ビル|一般社団法人 大阪ビルディング協会
一般社団法人大阪ビルディング協会

ぶらり大阪ビル散歩

2021/09/29

 

「ぶらり大阪ビル散歩」第二回目は 、

近代的なビルが立ち並ぶ淀屋橋でレトロな外観がひときわ目を引く

千島土地株式会社様所有のビル「芝川ビル」にお邪魔してきました。

#電線がなくなって、外観すっきり #近代的なビルの中でひときわ目を惹く外観 

芝川ビルとは?

1927年(昭和2年)に唐物商(貿易商)を営んでいた家に生まれた芝川又四郎氏によって建てられました。


当初は、部屋を賃貸するというような考えはなく、全てを自家用として使用するつもりだったそうです。

(なんとも贅沢な話、、!)

しかし、自家用の使用だけではまだ余裕があったため、一部を花嫁学校として使っていたそう。現在の女子短大のはしりであったとも言われています。

そして現在は、登録有形文化財に指定されており、オシャレな飲食店や専門店が入居しています。

防災に強い! 芝川ビル

又四郎氏は、かねてから店を不燃性の建物にしたいと考えていました。

そんな折、大阪倶楽部において建築家の片岡安氏

(大阪市中央公会堂などの設計に携わった日本を代表する建築家)のスピーチを聞き、

鉄筋コンクリートが耐震・耐火性に優れていることを知り、

鉄筋コンクリート造りのビル建築を決意したと言います。

こうして建設された芝川ビルは、耐震・耐火性に細心の注意が払われており、

その意気込みは、現在も建物の随所に見ることができます。

それでは早速、ぶらりと芝川ビルの見どころをご紹介していきたいと思います!

今も芝川ビルを守る鉄扉

耐震・耐火のための設備が見られるのがこちらの頑丈な「鉄扉」。

又四郎氏が関東大震災の被害状況を視察した際に、焼け残った建物の窓に設置された頑丈な扉が火を防いだことを知り、火事に対する用心から取り付けたものだそうです。

今でも、台風の時などの災害時に役立っている設備です。

玄関のテナント案内プレート

重厚感のあるドアを開けて中に入ると、南米様式の装飾が施された

風除室に。

玄関のテナント案内プレート

右手には何ともインパクトのあるプレートが。

このテナント案内プレートはもともと芝川ビル地下室に保存されていたものが2014年に発見されたそう。


プレートの発見時の様子は、芝川ビル様のブログに詳しく書いてありますので、ぜひそちらをご覧ください!

(こちらのブログ、他の記事もすごく面白いのでぜひ見てほしい、、!)

それでは、階段を上がって

屋上へと向かます。

タイルが素敵な

「芝川ビル モダンテラス」

一番楽しみにしていたのが屋上にあるこちらのテラス。
イベント等が開催できる貸しスペースとして運用されています。
(コロナ前はビアガーデンも。確かに、ここでビールが飲めたら最高だろうなぁ。)

復元されたタイル

テラスのタイルは、2015年に張り替えられたもの。

当時のものと同じタイルはもう現存していなかったので、同じ柄のタイルを製造されてる会社に依頼をし、特注で作られたそうです。

ポルティコも、テラスと違う種類のタイルが並べ方を変えて配置されていました。

芝川ビルは随所に雰囲気のあるタイルが配置されていて、見ていてとてもワクワクします。

素敵レベルMAXのこちらは、

屋上階に続く階段の一部分。

星のようなモチーフがさり気なく

施されてます。おしゃれすぎる!!!

そして今回は、特別に芝川ビルに入居をするテナント様

・地下一階のカフェ&ギャラリー「Mole & Hosoi Coffees」さん

・一階のショコラティエ「TIKAL by Cacao en Masse」さんに

お邪魔させていただきました!

地下一階 007・008 

カフェ&ギャラリー

「Mole & Hosoi Coffees」

この場所は元々金庫室として使用されていた空間。

そのため、扉がこの分厚さ!!

鍵屋のエンブレムもそのまま残っています。

店内は、ビルの雰囲気に合うよう

エイジング加工された装飾や、

センスのいいインテリアがとても

素敵。

元が金庫室とは思えない、落ち着きのあるカフェ空間でした。

開店前に伺ったため、コーヒーをいただくことはできなかったのですが、

プライベートで絶対行く。と心に誓いました。

一階 103 ショコラティエ

「TIKAL by Cacao en Masse」

次にお邪魔したのが、一階の風除室横にあるお店です。
風除室から続く、モダンなタイルと

随所にみられる

エスニックな装飾が素敵な店内。

「チョコで使うカカオも南米のものだから、エスニックな装飾の空間がとても合うんです」とお店の方がおっしゃっていて、

確かに、、!と納得。

こちらの扉、木製のように見えますが

実は木目がペイントされた

鉄製の扉なんです!

どんな顔に見えるかな?

こちら、店内にあるオブジェ。

芝川ビル様のブログにもありましたが、照明や日の当たり方で見るたびに表情が違って見える(かも)という噂。

さて今日はどうでしょうか…。
にまーっと笑顔に見える気がします!

良いことがありそう。。

「TIKAL by Cacao en Masse」のお店の方が教えてくださったのは、

芝川ビルを含めた船場エリアのレトロビルが、もっともっと盛り上がるように。と、

レトロビルを巡るスタンプラリーなど行われている、とのお話をしてくださりました。

人々が行きかう、賑やかなビジネス街にありながらも、

エスニックな装飾が施された、清潔感のある空間にいると、

なんだか時間がゆっくりと流れているような感覚に。

芝川ビルは、少し不思議でなんとも心地よい空間でした。

おまけ

TIKAL by Cacao en Masseさんで、取材後にチョコレートを購入させていただきました。

プレーンなものから、少し変わったフレーバーのものもあり、ほんとうにおいしい!!

食べたその日が、一日ハッピーになる。そんなチョコレートでした。

出歩けるような時期になったときはぜひ、

素敵なテナント様がたくさん入居されている

芝川ビルで、お茶やショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか?

お読みいただき、ありがとうございました!

#淀屋橋 #芝川ビル # Mole & Hosoi Coffees  #TIKAL by Cacao en Masse  #ぶらり大阪ビル散歩 #レトロビル

※掲載写真は、本記事用に許可をとり撮影をしたものです。店内の写真撮影の可否については、それぞれの店舗にご確認いただきますようお願いいたします。 

※芝川ビルは店舗の入居するビルですので、イベントや見学ツアーなど特別な場合を除いては内部の見学はお断りさせていただいております。悪しからずご了承下さい。

© Building Owners & Managers Association, Osaka

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