元は船場に次ぐ繊維卸の集積地 機能はビルというより❝街❞ |一般社団法人 大阪ビルディング協会
一般社団法人大阪ビルディング協会

ぶらり大阪ビル散歩

2026/05/18

  

これまで様々なビルを訪れて、そこに隠された秘密を学んできた「ビル散歩」。
記念すべき20回目となる今回は、京阪本線・地下鉄谷町線「天満橋」駅直結の「OMMビル」を訪れました。
大川をはさんだ対岸、天満橋公園付近から見るガラス張りの外観の印象が強い同ビル。
天満橋駅からアクセスすると、地下街でつながっているため、ビルというより‟街”を訪れた気分に。
さぁ、ここにはどんな秘密が隠されているのでしょうか!?

OMMビルとは?

OMMビルは、明治43年(1910)に天満橋から五条大橋東詰(京都市)間で開通した京阪本線が、昭和38年(1963)に淀屋橋まで延伸した際に地下化した天満橋駅の跡地を利用し、昭和44年(1969)に建てられました。
「OMM」は「⼤阪マーチャンダイズ・マートビル」の略で、所在地は昭和42年(1967)⼤阪都市計画事業「天満橋特定街区」に指定されており、竣工後には商業神「マーキュリー」の像も建立されました。

地上にあった旧・天満橋駅
跡地にできたランドマーク

京阪本線の起点である天満橋駅があり賑わってはいたものの、竣工当時、まだ周辺には高いビルやマンションがなく、OMMビルは天満橋のランドマークのようでした。
地上22階建ての高さと130メートル幅の外観の存在感は圧倒的で、竣工以来現在まで、天満橋の景色の象徴になっています。
特に変わっていたのが、屋上の真ん中に乗っかる四角い部分。これはなんと「回転レストラン」だったそうで、大阪市内を望む眺望を、食事をしながら楽しめたそうです。

                  それでは中に入ってみましょう!

1階と地下はショップとグルメ
2階は大きな展示ホールで賑わう

1階から地下2階までは多種多様な飲食店があり、特に地下2階の雰囲気は、天満橋駅とつながっていることもあってまさに大阪の地下街。
こちらのビルで働く人だけでなく、このエリアを利用する人々が集まる一大グルメエリアになっています。
そしてOMMビルの一番の特長が、2階の展示ホールフロア! 大・小14室ある様々なタイプのホールは連結することで広さが変わり、大阪を代表する展示・イベント会場としていつもたくさんの人で賑わっています。

リノベーションによって
新たな価値を提供

‟街”といっても過言ではないOMMビルですが、エレベーターで4階以上に上がると、静かで落ち着いた雰囲気の事務所フロアに。
竣工以降、いくつものリニューアルを経て現在の姿になりましたが、フロアが広くテナントの数も多いため、一気にリニューアルすることができず順番に進めていくのだそう。
今では見慣れたガラス張りのカーテンウォールも平成元年(1989)に改修されたもので、ビルの中からは二重になった外壁を見ることができます。

そしてビル散歩を続けているからこそ気になった、その通路の広さですが・・・。

いくつかのフロアに残る
竣工当時の繊維問屋の名残

OMMビルの成り立ちは、船場地区にひしめき合っていた繊維卸の問屋街において、道路の狭さと荷物の出し入れによって引き起こされていた交通渋滞の解消方法の一つとして、街の機能の分散と改善のために計画されたものだと教えていただきました。
最盛期には200〜300もの業者が入居していたそうで、各階の広い通路はたくさんの荷物を運んでいた頃の名残で、今も繊維業の店舗が残るフロアは、まさに船場センタービルの雰囲気そのままです。

働く人々の憩いの場や
シェアオフィスなどを新設

繊維問屋が並んだ時代から現在のオフィスビルの姿へ変わっていく中で、新しい物がたくさん取り入れられています。
まずは、このビルで働く人々の憩いの場として、地下1階に共用のフリースペースがあります。お昼休みにお弁当を食べたりくつろいだり、使い方は自由。
そして1階には有人受付を完備したシェアオフィスがあり、駅直結のビジネス環境の良さを最大限に生かしたサービスを提供しています。

大阪城も中之島も手が届く
屋上からの眺めは絶景!

そしてビル散歩の最後は恒例の屋上へ。

こちらのビルの屋上は、21・22階の「プレミアムオフィス」に入居するテナント専用の屋上庭園となっています。景色を見わたしてびっくり。南東の大阪城が、そして西の中之島がすぐそこに。地上を歩くと遠くに感じるものの、高い場所から眺めるとこんなに近くにあるんですね。

大阪市内を一望できるこの景色・・・何時間でも見ていられます。

駅や街とつながっているため、ごく自然に、何気なく利用していたこちらのビル。でも実は繊維卸の問屋街として始まり、現在の姿に至るまで、様々な変化を経験してきたのだとわかりました。
所々にその歴史の名残や、展示ホールのための巨大な荷物の搬入口、その向こうに、地下化した天満橋駅に向かう京阪電車が地下に潜っていくところなど、OMMビル特有の機能が見え、他にはないビルなんだなと理解できました。

おまけ

OMMビルにはオフィスの他にグルメ、郵便局、コンビニ、クリニック・・・と様々なサービスがありますが、その中にはなんと保育園も。
ビル内の小規模保育施設ですが、園庭はなんと屋上に!
広大な眺望の屋上に遊具がある雰囲気は不思議ですが、ここで運動遊びがたくさんできると思うと、なんとも贅沢!

#京阪電車 #谷町線 #OMMビル #ぶらり大阪ビル散歩 #レトロビル

※掲載写真は、本記事用に許可をとり撮影をしたものです。写真撮影の可否については、事前にご確認いただきますようお願いいたします。 

© Building Owners & Managers Association, Osaka

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